私の背中を押してくれた、先生のコトバ。


Vol. 1: 島根県 J・Iさん(50歳 女性)

私は20代の頃に「乾癬」と診断され、それが慢性の病気で「治りにくい」と告げられて大きなショックを受けました。周りの目や将来への不安もあって落ち込んでしまい、その後の診察でも「治りにくいのだったら、何を話してもムダだろう」と、治療に対してもずっと前向きになれずにいました。しかしある日の診察で先生が投げかけてくれた言葉が、私の心を動かしたのです。

乾癬は、適切な治療でコントロールすれば、「上手につきあっていける病気」なんです。

乾癬以外にも、高血圧や糖尿病など、長くつき合っていく病気はたくさんあります。乾癬も現在では、治療選択肢が広がって、よい状態が長く続けられる病気になってきているんですよ。

何年も一人でつらさを抱え込む中で「よくなりたい」という気持ちが芽生え始めていた私には、この先生のコトバが、一歩踏み出すきっかけになりました。「よくなるために一歩踏み出したいです!」と先生に伝え、その先の治療の相談を始めました。先生に思いを伝えたことで、オープンにしていたほうがラクだし楽しいという、開き直りのような気持ちが芽生えたのです。そして「しっかり治療して、乾癬のことを忘れてしまうくらい普通の生活ができるようになってやる!…」と、乾癬とその治療に積極的に向き合うことができるようになりました。

慌ただしい診察の場では、皆さんも「こんなことを先生に話してもいいものか?」と、遠慮されることがあると思います。でも、患者さんから話していただかないと医師が気づかないことや分からないことがあるのも事実です。伝えていただければ、一緒に対処法を考えることもできますので、ぜひどんなことでも話していただけると助かります。

皮膚科医や乾癬患者さんへのインタビューでお伺いした体験を参考に構成したフィクションです