乾癬の症状と種類


●乾癬の主な症状と、代表的な5つの病型の特徴を紹介します。

乾癬の主な症状

乾癬の主な症状は、皮膚が赤くなる紅斑、その部分が盛り上がる浸潤・肥厚、皮疹の表面に鱗屑と呼ばれる銀白色のフケのようなものが付着してポロポロと剥がれ落ちる落屑です。鱗屑は無理に剝がそうとすると出血することがあります。約60〜90%の患者さんにかゆみがみられますが、個人差があり、強いかゆみを感じる人もいれば全く感じない人もいます。他にも関節の痛みや腫れ、爪の変形、発熱、倦怠感などの症状を伴うこともあります。

乾癬の種類

最後に乾癬が悪化する要因をみていきましょう。

尋常性乾癬

乾癬患者の約9割を占める病型で一般的に乾癬というと尋常性乾癬を指します。主な症状は紅斑、浸潤・肥厚、鱗屑の落屑です。尋常性乾癬は、頭皮、膝、肘など外部からの刺激が加わりやすい部位に好発します。症状が進むと皮疹が拡大し、他の皮疹と癒合することもあります。

乾癬性関節炎

乾癬の皮膚症状に加えて、手足の指や腰、背中などの関節に炎症、こわばり、変形がみられます。関節リウマチと似た症状を示しますが、リウマトイド因子は陰性です。関節症状は皮膚症状の発症後に現れる場合が多くなっています。皮疹の発生から数ヵ月後や十年程度経過してから関節症状が出る場合もありますが、皮膚症状と同時に発症したり、関節症状のみ現れる場合もあります。

膿疱性乾癬

紅斑によって赤みを帯びた皮膚に無菌性の膿疱が多発し、発熱や悪寒、全身倦怠感を伴います。放置すると、全身の衰弱や他の疾患の併発などにより命に関わるケースもあります。尋常性乾癬の治療中に発症することもあれば、突然発症するケースもあります。

乾癬性紅皮症

乾癬の炎症が広がり、皮膚の80%以上が赤くなって紅皮症化した状態を指します。発熱や悪寒、全身倦怠感、関節痛などを伴い、膿疱が出現することもあります。発症時から乾癬性紅皮症化であることは稀で、治療を受けずに放置したり不適切な治療を行ったために尋常性乾癬から移行するケースがほとんどです。薬剤の使用や感染症が原因となることもあります。

滴状乾癬

溶連菌感染による扁桃炎の後などに水滴ほどの小さな皮疹が全身に出現します。急に発症することが多く、子供や若い人に好発します。溶連菌感染症の治療により治癒することが多いですが、尋常性乾癬に移行する場合もあります。