私の背中を押してくれた、先生のコトバ。


Vol. 4: 神奈川県 W・Yさん(38歳 男性)

就職して仕事に追われ始めたとたん、ストレスからか手足に発疹ができ、やがて身体のあちこちに広がって、まもなく「乾癬」と診断されました。「治りにくい病気」だと言われた時の “あきらめ” のような気持ちは忘れられません。皮膚症状を人に見られるのがつらくてプールや海にも行けなくなり、治りにくいのならもう治療はやめようかと思い始めていた頃、診察室での先生の言葉が、私の気持ちを前向きにしてくれました。

乾癬は完治は難しくても、今ではよくコントロールできる病気。だから希望を持って下さい。

特にこの10年の医学の進歩はめざましく、今ではさまざまな選択肢を提示できるようになっています。ですから生活や経済的なことも含めて、何をしたいか、どこまで求めるかを総合的に考え、一緒にそこを目指していきましょう。

暗かった心に光が射した気がして、私は先生に「家族や友人と温泉に行きたい」と言いました。すると先生は、それならこれを試そう、もしダメだったら次はこれがあるからと一緒になって考えてくれたんです。そんな先生の熱い思いを受けて、それまで乾癬のことを知ろうともしなかった私は初めて乾癬について調べ始め、今では先生と積極的に対話するようになりました。「先生にすべてお任せする」のも選択肢の1つですが、我々患者が知識や情報を持って先生とコミュニケーションしていくのも、目指す所へだどり着くための1つのよい方法だと思います。

患者さんが自ら乾癬に関する知識を持つことで、率先して医師に希望を伝えていただけたら、それは医師にとっても勉強して診療に臨むよい機会になります。どうか皆さんが考えていること、気になっていることは、どのようなことでも遠慮なく、医師に伝えていただきたいと思います。

皮膚科医や乾癬患者さんへのインタビューでお伺いした体験を参考に構成したフィクションです